私は前職の知識を行政書士の仕事に活かそうと考えました

(私のプロフィール)

行政書士になる前の私は、ドラッグストアで働いていました。学校を卒業して社会人になったら働かなければいけないのは当然ですよね。でも私の場合、ネクタイにスーツ姿、そしてオフィスの仕事というのがどうも性に合いそうもなくて。それで学生アルバイトの延長線上でドラッグストアの店員さんになったのです。私は男性ですが、台所用洗剤とかシャンプーとか健康食品とか、なぜか日用雑貨に意識が向く性格です。ヘルスケアやビューティー系の商品に囲まれて仕事をしているのが楽しかったのです。

しかし社会で揉まれていると、だんだん知恵というのもついてきます。『このまま30代もずっと店員を続けていていいのだろうか』、『いまの年収だと結婚はきびしいかな』。人生の岐路ってやつですかね?それでもやっぱり会社勤めは自分にはできそうもなさそうですし、30歳間近でほかの職業に変わる転職が、そんなに甘いものではないことくらい、私にもわかっていました。

となると独立開業?何か愚にもつかない夢想をしていたように思います。
「いまからでも独立できそうな仕事って何?」「ラーメン屋さん?」「FC喫茶店のオーナー?」「赤帽さん?」。修行期間のことや開業資金のことなど考えると気が遠くなりそうでした。

それでなぜ行政書士に?という話ですけど、その答えはまさに、ドラッグストアの店頭に並んでいる化粧品やクスリにありました。アルバイトを含め通算6年、それだけドラッグストアで働いていると、イヤでも(ホントは大好きでした)商品には詳しくなります。新商品の案内にくるメーカーの営業さんが、ウルソデオキシコール酸(なんだかわんないですよね)の入った栄養補給剤や、ビタミン配合の目薬の効能の話などをしてくれるのを聞くのが私は好きで。そうやって教わったことをお客様に説明してあげると、次の来店の時にはそのお客様が私のことを頼りに別の商品を買ってくださったりしました。

私のクスリや化粧品についてのそれなりの知識を、活かす独立の道はないかと考えたのです。それで資格のことをあれこれ調べてみて、行政書士にたどりつきました。

行政書士は、「国や地方自治体に届け出が必要な書類を作成する専門家」です。薬事法できびしく規制されているクスリの世界にはまさに欠かせない仕事だと知りました。たとえば胃腸薬ひとつにしても、その新商品がどれほど厳格な法律を通過して製品化されるのか。クスリの素人ながらも、私にはそのカンがありました。好きこそものの上手なれということでしょうか。私は行政書士になって、「医薬品製造販売許可」、「化粧品製造販売許可」を専門にしようと決心したのです。

次のページへ >>


>>特集ページ「行政書士の仕事の具体例」(提供:フォーサイト)