対象業務を広げるやり方ですと、事務所が大きくしやすいです

(営業力に自信があるなら)

それでは手広く対象業務を広げる「幕の内弁当型」の行政書士の開業パターンを見てみましょう。これは御免なさい、私がそういう仕事をしたことがないので想像でお伝えしてしまう部分があるかもしれません。それでも同じ現役行政書士として、おそらくそうだろうという線で書いていきます。ご了承ください。

ホームページで行政書士事務所の案内を見ていると、よくあるのが「許認可申請業務」「法人設立関係業務」「土地関係業務」「自動車関係業務」「国際関係業務」「相続・遺言に関する業務」などなど、ひとつの事務所でなんでも仕事にしているパターンです。土地の登記にも、自動車登録にも、日本で働く外国人の就労ビザのことにも、広く精通するというやり方ですね。

あくまで私見ですが、このやり方で仕事を成功させるには、営業力は必須でしょう。柔らかくいえば「人当たりの良さ」ですよね。商工会議所にもまめに顔を出したりとか、税理士や社会保険労務士など士業さん同士のお付き合いを大切にしたりとか。営業といっても商品をセールスする力はいらないでしょうけど、自分を売り込むこと、人付き合いの良さは欠かせないと思います。同じ行政書士として、私はその点は失格かもしれません。

「幕の内弁当型」で手広く展開することのメリットは、逆説的ですが、手広くやる以上は仕事でいろんな人に会わなければならないということです。これは行政書士会で先輩から聞いた話ですが、「とにかく人と会う労を惜しまなければ、そのうち仕事は必ずついてくる」、とその先輩は確信していました。私より20年以上は先輩で、かなり羽振りの良さそうな書士さんですから本当にそうなのでしょう。対象業務を広くとって仕事をするなら人脈が大切だということですね。

「幕の内弁当型」で展開することのもう一つのメリットは、事務所の規模を大きくしやすいことです。アシスタントを7~8名雇用して年商6000万円。「業務限定型」の我々には真似のできないやり方ですが、対象業務を広く扱う事務所なら十分可能だと思います。ちょっとこの世界の秘密を明かしてしまうようですが、産業廃棄物業社や自動車登録の申請なら、慣れてしまえば行政書士の資格がなくても仕事はできます。このパターンの開業者が、アシスタントの仕事を、責任を持って監督してさえいればそれで問題ないのです。経営指向の強い方には、このやり方も魅力でしょう。事務所を大きくできるのですから。

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>>特集ページ「行政書士の仕事の具体例」(提供:フォーサイト)