行政書士と相性のよいダブルライセンス

(相性のよいダブルライセンス)

このページでは行政書士と相性のよい資格、いわゆるダブルライセンスというやつですね。それから行政書士と比較してみたくなる資格などについて考えてみましょう。

と前ふりをしておきながら何ですが、ダブルライセンスという考え方には、私としては少々疑問もあります。というのは世の中で独立開業者として仕事をしている人は、ひとつの職業、腕一本で食べている人が大半だからです。美容師さん、カメラマン、大工さん、板前さん…、みんなそうです。行政書士の資格を目指すみなさんにも、できれば「行政書士のみで勝負をする」、そんな覚悟を持っていただきたい気もするのです。恰好よくいえばほかの選択肢をすべて捨て去ってしまうこと(逃げ道を作らないこと)。開業で花を咲かせるには、そういう本気度も大切ですよ。

しかしまた、行政書士と相性のよい資格があるのも事実です。
それは、宅地建物取引主任者と社会保険労務士です。ほかにもダブルライセンスに適した資格はあるにはあります。でも、本当に2つも資格を取れるのか?そのために何年も足踏みするくらいなら行政書士一本で早々に仕事の足場を固めた方が賢明ではないか?(先に述べたことです)と、私には思えるのです。それで宅建と社労士にフォーカスすることにしました。

●宅建とのダブルライセンスは、地域の人たちへのネットワークが広げやすいのがメリットです。
幅広い業務を手掛ける「幕の内弁当型」の行政書士なら、宅建との相性は抜群です。その理由はひとえに「人脈を広げやすいこと」にあります。このダブルライセンスでの開業には開業資金などのネックはありますが、その壁を超えることができれば仕事は手堅い商売になります。アパートやマンションなどの賃貸住宅を仲介するいわゆる街の不動産屋さんとして開業し、そのお客様から書類作成の仕事の依頼を見込むのです。不動産のお世話をしたのですから、そのお客様は長らく周辺エリアにお住まいのことでしょう。
業務の参考となるのは、「内容証明郵便」、「訪問販売、キャッチセールスなどの契約解除(クーリングオフ)」、「不当請求への対処」、「交通事故損害賠償請求」、「近隣トラブル」などです。つまり個人のお客様が対象になりやすい業務を仕事にするということですね。『引越しの時にお世話になったあの人に相談するのがいいかも』。そんな展開は実際にあります。街で暮らす人々の相談役として生業している書士さんは、実は結構多いのです。

●社会保険労務士とのダブルライセンスで開業している人もたくさんいます。収入が安定しやすい組み合わせです。
行政書士事務所をいろいろ検索してみてください。社会保険労務士とのダブルライセンスで開業している書士さんが多いことに気づかれると思います。その理由はどちらも、書類作成業務という点で仕事に共通点があるからです。社会保険労務士は、企業と顧問契約を結んで継続的にお客様をサポートするのが一般的ですから、このダブルライセンスですと収入・年収も安定しやすいのです。建築業やIT企業などの顧客を獲得できれば、行政書士の仕事も広げやすくなるのは、みなさんもうお解りでしょう。
また社労士の業務も、アシスタントを雇用するなどして事務所を大きくする経営には適しています。もうひとつ試験の難易度について、行政書士と社会保険労務士では試験の勉強内容はずいぶん異なりますが、合格率など試験のむずかしさのみを比較するかぎりほぼ同ランクです。つまり行政書士に合格できる素養のある方なら、社労士もクリアできるはずです。よろしかったら検討してみてください。

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